子育てタウンミーティングは、まちの人と行政とが一緒に子育ての課題を話し合う機会です。気仙沼市とコソダテノミカタの共催 で、2020年から15回にわたって開催してきました。
2025年9月3日、乳幼児を育てるパパとママ●人が集まって、4つのテーブルに分かれ、それぞれが子育てをめぐって日々気になっていることを、言葉にして交わし合いました。テーブルにはコソダテノミカタのファシリテーターと行政の人がひとりづつ着き、市長もテーブルをまわって子育て当事者の生の声に耳を傾けます。
祝日や雨天でもこどもが遊べる場所の必要性や、男性育休のより一層の普及を望む声などが聞かれ、それを受けた市長は「行政として非常に貴重なご意見やニーズを伺えた。また施策として実施しているのに、知られていないケースもあり、情報を届ける手段を考えていかなければならないとも認識した」と結びました。
この機会に、地域の子育て支援施設とそこにいるスタッフを直接知り、安心して施設を利用してもらえるよう、タウンミーティングの結びにコーナーを設けました。施設を利用して子育てに活かしているママのリアルな紹介に続き、会場に設けられた各施設のブースを自由にまわってもらうというものです。そのなかのひとつ、みんなのたんすさんによこども服のおさがりシェアコーナーも盛況でした。
パパの参加も2名あり、「子育てには父親特有の悩みもあり、こういった場で父親が言葉を交わすことも必要だと感じた。タウンミーティングの告知を職場に掲示するなど、父親にも届くようにしてほしい」と話してくれました。
2020年、市長とこども家庭課とコソダテノミカタの前身のメンバーとで、はじめてのタウンミーティングを開催した時のことを振り返って、コソダテノミカタの赤畑さんは「それまでは自分の住む地域の子育て環境のことを、ママたちが市に提案する、そこに市長がいる、という場はなかった。実際にやってみて、ママたちがとってもたのしそうだったのが強く印象に残った。」と語ります。
ママたちが話しやすい雰囲気がつくれるよう、市長に私服で出席してもらえるよう頼み、子育ての息抜きとおしゃべり感覚でリラックスできるようドリンクバーとスイーツも用意しました。また初開催の時から、乳幼児をもつママが参加しやすいよう託児を利用できるようにし、市開催イベントに託児がつく流れの先例となりました。
その後、新型コロナウィルスのパンデミック下で中止を余儀なくされたこともありましたが、非常時の子育て特有の課題が置き去りにされないよう、状況をみながら少人数を対象に施設を訪問して回るなどして、できるだけタウンミーティングを継続して開催できるようにしてきました。
対象は主に乳幼児をもつ保護者の方々ですが、パパ向け、特性のある子のパパママ、議員さん、保育士さんと、それぞれの現場で子育てに関わる人たちの声を、できるだけ多角的な視点から聞けるよう企画しました。ふだん支援側に立ちお互いを知っている人たちも、改めて話す機会はあまりないことも多く、それぞれの立場の方が感じている課題や想いを交わすことができたのはとっても貴重だったと思っています。
タウンミーティングのあとは、参加者のみなさんから上がった声を行政の担当部署など関係先につなぎ、その回答を「タウンミーティングかわら版」として、市の広報でフィードバックしています。
子育てを考える人たちの声を聞く場をつくり、それぞれの現場の人につなぎ、想いがあるのに声が届いていない人を減らしていくこと。それを続けていくことに意味があると考えています。

