こども家庭庁の設置や「こども基本法」の制定を背景に、「こどもの声を聴き、政策に反映する」取り組みが広がっています。「こども大綱」でも、こどもや若者の意見を幅広く聴いて、政策に反映することが重要な方針として掲げられています。自治体においてもアンケートやワークショップ、こども会議など、さまざまな手法で声を聴く取り組みが進められています。
こども支援の現場で、こどもたちが自分の意見を伝えられる場の必要性を感じているコソダテノミカタでも、「こどもの声を聴くとは、どういうことなんだろう?」「そのためには、どのような関わりや工夫が必要なのだろう?」という問いが生まれました。
そこで、一般社団法人TOKYO PLAYのプロジェクトマネージャーとして、こどもの権利とあそびを軸に活動している神林 俊一さんを講師にお招きして、2026年9月11日に「こどもの声を聴くおとなの勉強会」を開催しました。

“声を聴く”には場づくりから
当日は、地域の児童館職員や民間のこども支援団体のみなさんが集まり、グループに分かれてテーブルを囲みました。それぞれのテーブルにはクロスをかけ、スタッフが選んだオススメのお菓子やスクイーズなどのちいさなおもちゃを準備しました。神林さんのアドバイスを活かして、参加者がリラックスして話せる、自然と会話が広がる場づくりの工夫が、勉強会の始まりから散りばめられていました。

“こどもの声を聴く”って?
勉強会の前半は、「こどもの声を聴くとは?」をテーマに、東京都の実践をふまえ、こども基本法や国の現状を学びながら、「こどもの声を政策に反映する」取組について、神林さんにお話しいただきました。
印象的だったのは、こどもの声を聴くことは、意見を聴いて終わりではないということ。聴いた意見をどのように受け止め、施策や活動に反映するのか、そしてその結果をこどもたちに伝える「フィードバック」までが一連のプロセスであることを学びました。
また、こどもへのフィードバックでは、一度伝えて終わりにするのではなく、こどもとのやり取りを重ねる(3回以上)ことが大切だというお話もあり、参加者にとって新たな気づきとなりました。さらに、こどもの意見表明権を保障するためのフレームワークである「ランディ・モデル」など、関連する研究や実践についても紹介していただきました。そして後半は、グループワーク「こどもの声の聴き方を学んでみよう」。参加者同士で話し手と聴き手を体験したり、実際のこどもの声に対してどのように応答し、フィードバックするかを話し合ったりしました。

「大切」ではなく「当たり前」へ
参加者からは、こんな声が届きました。
「ここは自分の言いたいことが言える場所、と思ってもらえるように、こどもたちと向き合っていきたいです」
「こどもが発する言葉のそのままの意味だけでなく、なぜそう言うのか、言葉だけでなく表情や態度から、その子が本当に伝えたいことや気持ちを汲み取っていきたい」
「大人相手なら自然とできるのに、なんで対こどもになると意識しないとできないんだろう・・と思った時に、自分がこどもの時に対大人と経験したのと同じことを当たり前と思ってしていたんだと気づきました。この連鎖の方向性を変えていくべく、私たち世代の大人から意識して、自然なことにしていかたらと思います」
勉強会の後には、ランチを囲みながら、日々の現場で感じていることを共有しました。次の取り組みにつながっていくような会話も交わされていました。それぞれの活動を振り返り、これからの実践につなげていく機会にもなりました。
こどもの声を聴くことは「大切」ではなく「当たり前」へー今回の勉強会が、そんな意識が地域に根付いていくきっかけになればと思います。


●参考資料:こどもワークショップ実践ガイド
2024年度に立ち上げた「こどもワークショップ」の企画から運営、子どもへのフィードバックに至るまでの全プロセスを、実際の行政文書・マニュアルとともに収録した実践ガイド。
一般社団法人TOKYO PLAYが監修し、講師の神林さんも制作に携わったガイドブックです。
こちらからご覧ください。








